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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「上放れ&期日向かい」

株式評論家 富田隆弥

◆例年ならお盆休み期間のマーケットは閑散・小動きになるところだが、今年は未曽有の金融・財政支援を背景に日米とも値動きは活発で「リスクオン」「サマーラリー」の雰囲気を漂わす。新型コロナウイルスのワクチン完成期待や業績の底打ち観測も株式市場の支援要因になっていよう。

◆13日の日経平均株価は405円高の2万3249円と3日続伸し、ザラバ高値2万3316円をつけ、コロナショック前の2月中旬の水準を取り戻した。日足チャートは7月31日(終値2万1710円)の下放れ懸念から一転、6月9日のザラバ高値(2万3185円)を抜いて2万2000円台の往来ゾーンを突破。次は年末年始で描いた三尊天井の高値の節目「2万4000円」を目指す構えに入ったと言える。週足は13週移動平均線(13日時点2万2289円)と52週移動平均線(同2万1901円)を下値に切り返し、上昇基調を維持する。

◆強い相場ではあるが、チャート的には気になる点もあるので頭に入れておきたい。例えば、年末年始の「三尊天井の高値」は昨年12月17日高値(2万4091円)、1月17日高値(2万4115円)、2月6日高値(2万3995円)だが、その6ヵ月後の上昇は「期日向かい」で高値をつけることがある。直近の6月9日高値(2万3185円)と7月15日高値(2万2965円)は12月と1月の高値期日に合致しており、この8月は三尊右肩(2月)から6ヵ月目に当たる。

◆また、8月14日はオプション清算日(ミニSQ)で、8月第2週の上昇には先物やオプションに絡む一時的要因が含まれていた可能性があり、SQ明けに反動が出ることも懸念される。

◆強い需給相場であり流れに従うのは基本で、3月19日安値(1万6358円)の「安値期日」の9月中旬まで上昇が続く可能性もある。楽観・強気観測もまた目につくようになったが、「お盆」を境に流れが変わることもある。調整を入れたときには下値ポイントとして25日移動平均線(13日時点2万2588円)や200日線(同2万1994円)、75日線(同2万1814円水準)の各日足移動平均線を注視しておきたい。

(8月13日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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