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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「新春のスピード調整」

株式評論家 富田隆弥

◆2020年相場もあと3日間の立ち合いを残すのみである。日経平均株価は29年ぶりの水準に戻してきたが、11月の急騰から一転、12月は2万7000円を目前に足踏みとなった。新年相場に備えての「スピード調整、値固め」と捉えることもできるが、チャートはそのスピード調整に少し時間を要することを示唆する。新年相場に関しては1月2日に配信する「チャート倶楽部2021スペシャル」で触れる予定であり、ここでは新春1月相場を簡単に予測しておきたい。

◆日経平均のテクニカル指標でRCI(順位相関指数)をみると、日足(9日、13日、25日)は12月上旬をピークに調整入りし、下値ゾーンまであと1~2週間の日柄を要する格好だ。そして、週足のRCI(9週、13週、26週)は12月中旬にピークを打ったばかりで、この先しばらく注意信号を灯すことになる。

◆もちろん、RCIが相場の高安といつも合致するとは限らない。上昇基調が続くのならば、注意信号を灯し続けることになる。とはいえ、「注意すべき時期にきている」ことを示す信号であるから、無視するわけにはいかない。そこで、株価のトレンドや移動平均線を併せて見るのだが、日経平均(24日時点、2万6668円)の波動は上値が重くなり、下から浮上する25日移動平均線(同2万6548円)に差し掛かる。

◆つまり、この25日移動平均線を下支えに切り返すのならば、上昇基調継続として2万7000円台挑戦も可能だろう。だが、25日移動平均線を割り込むとトレンドは「陰転信号」を灯すことになり、RCIの調整信号は信憑性が増してくる。

◆年末年始は外国人投資家のポジション調整や、ヘッジファンドの売り仕掛けが出やすいタイミングだ。対円対ユーロで、いま為替は「ドル安」が目立つが、2年前の年末と似ている点も気になる。こうした状況を踏まえると、新春は1月半ばにかけて2万6000~2万5700円処への調整もあり得るとみている。

◆ただし、その調整は新年相場の上昇に備えた押し目になるだろう。そうであるなら、その好機を待つのも一策となろう。

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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