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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「ピーク接近信号」

株式評論家 富田隆弥

◆日米欧の株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大が続く厳しい状況下にも関わらず、強力な金融緩和と財政出動を背景に高値圏で堅調に推移している。各国市場ではいずれもRCI(順位相関指数)などのテクニカル指標が過熱感を強めているが、それを嘲笑うかのような展開が続く。いわゆる、カネ余りを背景にした金融相場(需給相場)である。

◆なかでも日本株の上昇が目立っている。日経平均株価は14日現在2万8698円、高値を2万8979円まで伸ばして3万円大台が早くも視野に入ってきた。需給相場であるから大型主力株にマネーが流れやすく、「3万円」達成も時間の問題と言えるだろう。

◆上昇が目立つのが「半導体関連株」「機械株」だ。自動車向けの半導体不足が報じられて半導体関連株の上昇ピッチが加速。安川電機 <6506> の21年2月期業績予想の上方修正と11月機械受注統計の前月比+1.5%(民需受注額)を背景に、中国・機械関連株が急伸し、これらが日経平均を押し上げている。

◆とはいえ、相場であるから折に触れ調整は挟む。日経平均の勢いは衰えるどころか加速している。「節分天井」(2月上旬の高値ピーク)の雰囲気すら漂う状況だが、それでもやはり1月後半に調整しやすいアノマリー(経験則)があることは頭に入れておきたい。

◆半導体関連株や中国・機械関連株のチャートを見ると、「仕上げ局面」であるかの如く腰を伸ばしている。好材料が重なり、ファンドの買いや売り方の買い戻し(ショートカバー)が集中したような動きである。米国では14日にバイデン次期大統領による追加経済対策の発表があり(執筆時点では未発表)、NYダウ平均ナスダック総合指数も高値を更新する。だが、日米ともに新春は人気が偏りやすく、好材料を織り込んできたことを踏まえると、そろそろ市場では「出尽くし感」が漂う可能性もある。ここからの個別株は利食いを交えるなど、少し慎重に対応するのも一策だろう。

(1月14日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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