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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「当然のスピード調整」

株式評論家 富田隆弥

◆4月になり日経平均株価は早々に3万円大台を回復、上々のスタートを切った。6日に3万208円で高寄りしたあと調整に入ったが、ここは当然のスピード調整であり、調整を経て4月後半に3万1000円に向けて動き出すと見ている。

◆日足チャートを見ると、5日に窓を空けて3万円に乗せたが、そこで日足は「放れコマ」を描いた。そこは日足の数で3月24日のザラバ安値(2万8379円)から基本数値の9本目、3月18日のザラバ高値(3万485円)からは13本目が重なる変化日だ。そして、騰落レシオが137%(3月29日時点)と過熱信号を灯し、2月高値(3万714円)と3月高値(3万485円)を結ぶ上値抵抗線が3万250円近辺に迫った。そうした点を踏まえれば、6日の3万208円からスピード調整に入ったのはセオリー通りといえる。

NYダウ平均は4月5日に最高値を更新したが、短期過熱感を漂わせたことでスピード調整に入った。それも日本株の調整につながったと言える。米国株の動向がカギを握るだけに、NYダウ次第では日経平均の調整が少し長引く可能性はあるものの、金融相場の地合いがすぐに終わるとも思えず、日米とも調整を経ながら堅調に推移しよう。

◆一方、2月16日の高値1万4175ポイントから調整に入っていたナスダック総合指数が、4月になり復調の動きを見せている。米10年債利回りが3月30日の1.77%をピークに下降に転じ、グロース株(ハイテク関連)の見直しにつながっている。景気回復観測を背景にバリュー株(内需、景気敏感株)に対する物色意欲も根強く、交互に物色される循環物色の流れは株式市場にとって好ましい地合いでもある。

(4月8日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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