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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─猛暑、夏休みに負けるな!相場は強いぞっ!

経済評論家 杉村富生

「猛暑、夏休みに負けるな!相場は強いぞっ!」

●セオリー的には好業績銘柄を狙う!

 いや~、強い相場である。日経平均株価はフシ目の2万8300円絡みの水準を上抜けた。投資家の多くが夏休みだろう。だが、このラリーには参加したい。立秋を過ぎたというのに猛暑だ。それに、人気を集めていた直近IPOの日本ビジネスシステムズ <5036> [東証S]、HOUSEI <5035> [東証G]は大幅安だ。資金の逃げ足の速さには警戒を要する。

 決算がちょっと悪いと、メチャクチャに売り込まれる。日本電解 <5759> [東証G]、NITTOKU <6145> [東証S]などがそうだ。すぐにストップ安になる。3カ月の実績にそんなに神経質になるのはどうかと思うが、これがマーケットの特性だ。やむを得ない。ただ、冷静な対応が肝要だろう。

 半面、好業績の玉井商船 <9127> [東証S]、ロート製薬 <4527> [東証P]、ジェイリース <7187> [東証P]、理研計器 <7734> [東証P]、住友林業 <1911> [東証P]、レノバ <9519> [東証P]、マクロミル <3978> [東証P]、エスケーエレクトロニクス <6677> [東証S]などは集中人気となる。分かりやすい相場じゃないか。

 全般相場について繰り返すが、予想以上に強い。日経平均株価は6月9日の高値2万8389円を一気に奪回してきた。ただ、市場参加者が少ないために、値動きは荒っぽくなる。NYダウは7月の米CPI(消費者物価指数)の上昇率が前年同月比8.5%(6月は9.1%)に低下したのを好感し上昇したが、利上げ観測は後退せず、ナスダック指数は反落している。

 物色面はどうか。好業績、高配当銘柄を狙う投資術は不変だ。マツダ <7261> [東証P]、タカトリ <6338> [東証S]、商船三井 <9104> [東証P]などがターゲットになろう。Jトラスト <8508> [東証S]、アスコット <3264> [東証S]、NTN <6472> [東証P]は上値慕いの動きをみせている。ここは仕掛けの好機である。

●あえて、株安の「ダメな銘柄」をフォローする!

 一方、サークレイス <5029> [東証G]、ドリームベッド <7791> [東証S]、青山財産ネットワークス <8929> [東証S]が急落している。4-6月期(第1四半期)、1-6月期(上半期)の決算悪をイヤ気したものだ。業績が不振だと、とことん売り込まれる。株価は容赦しない。「決算プレー」特有の動きである。

 もちろん、「ダメな銘柄にこだわることはない」との声はあろう。しかし、アフターケアは必要ではないか。実はこの3社、通期予想は変えていない。IT関連のサークレイスは「2割成長」が経営目標だ。2023年3月期は22.8%増収、最終25.7%増益、1株利益は52.2円を目指している。この目標は達成できるだろう。

 ドリームベッドの23年3月期は6.9%増収、最終13.2%増益、1株利益は123.1円の予想である。第1四半期の62.7%減益はショックだったが、前年同期には特別利益が含まれている。配当は5円増の30円を計画する。時価の770円絡みは配当利回りが3.8%だ。利益構成比は後半型になっている。

 青山財産ネットワークスの上半期の最終33.7%減益は期ズレによるもの。デジタル証券の販売が7月になったこと、コンサルタント収入の計上遅れがあった。これは7月以降に入る。22年12月期は50.7%増収、最終14.1%増益を見込み、1株利益は69.6円となる。会社側は「この数字は最低目標だ」と。配当は実質3円増の31円とする。

 まあ、セオリー的には「下げの途中を買うな」「落ちる短剣はつかむな」が正解だろう。ただ、大商いを伴っての大幅安は整理が一気に進んだことを意味している。今後、チャート的には底練りを余儀なくされそうだが、好業績→ストップ高の銘柄の飛びつき買いよりもこの局面では値下がりのリスクは乏しいのではないか。

2022年8月12日 記

株探ニュース

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