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【市況】植草一秀の「金融変動水先案内」 -ワクチン祭りは終盤に-

植草一秀(スリーネーションズリサーチ株式会社 代表取締役)

第65回 ワクチン祭りは終盤に

●不十分な情報公開

 不自然なコロナ大騒動は少しずつ終盤に近づきつつあるのではないでしょうか。日本もコロナによる感染爆発で大変なことになっていますが、問題の核心がどこにあるのかを見極めないと本質を見誤ることになると思います。たしかにコロナはただの風邪ではありませんが、エボラ出血熱のような極めて致死率の高い恐ろしい感染症ではないと思います。感染症は人類と切り離せないもので、これまでにも人類はウイルスと攻防戦を繰り返してきました。

 毎年のように流行してきたインフルエンザもその一つです。日本におけるコロナ被害は年間の死者数でみれば季節性インフルエンザと大差がありません。若年齢の健常者が重篤化する確率は極めて低く、命を失うことも極めて稀です。

 本来は、コロナ被害に関する詳細なデータを政府が丁寧に公開するべきです。年代別、性別、基礎疾患の有無別、肥満の有無別、できれば血液型別の情報を広く公開するべきです。それぞれのカテゴリーで、どれだけの人が陽性と判定され、どれだけの人が重篤化したか、あるいは亡くなったのかについてのデータを開示するべきです。

 政府は巨大な予算で厚生労働省を所管しているのですから、何よりも大切な情報を広く丁寧に流布するべきです。もちろん、ワクチンの副反応に関する情報も丁寧に、そして頻繁に公開するべきです。新型コロナワクチン接種後に急死したり、重篤化したりした人が千人程度の規模で発生しています。

●大きなワクチンリスク

 コロナ感染よりもワクチン接種のリスクの方が高いとの見立ても可能な状況です。「一人の命は地球よりも重い」と言われましたが、新型コロナワクチン接種後に多くの市民が亡くなり、または重篤化している事実を見落とすわけにはいきません。もちろん、政府は因果関係を認めていませんが、実際にワクチン接種後に死亡した多数の事例について「因果関係がない」と判定されていないのが現実です。因果関係がある可能性が否定されていません。

 ところが、ワクチン接種後の死亡情報、重篤化情報がほとんど報道されません。政府自体が副反応報告の部会を頻繁に開催していないのです。リスクが高いと言わざるを得ないワクチンを全世界のすべての人を対象に接種しようという、人類がかつて試みたことのない壮大な実験が実施されていると言えるでしょう。

 最大の目的はワクチンによる利益の獲得でしょう。巨大な利益がどのように多数の関係者に配分されるのかをチェックすることも極めて大切です。ただし、ワクチンの目的がそれだけにとどまらない可能性もあります。ここから先は仮説にしかなりませんので深入りを避けますが、大きな陰謀が張り巡らされている可能性を一概に否定することもできません。

 問題とされる変異株がワクチン接種によって発生したとの見方を提示する専門家もいます。なぜ治療薬開発に全力が注がれずに、ワクチンばかりが追求されるのか。売上規模を比較すれば、その謎は簡単に解けるのではないでしょうか。

●日本株価低迷の原因

 金融市場への影響を考えたいと思います。昨年2月から3月にかけて世界の株価はコロナの感染拡大で急落しましたが、巨大な経済政策の策定とともに急反発を演じて現在に至っています。コロナ対応に失敗を繰り返してきた日本だけが、本年の2月以降は株価下落基調に見舞われています。しかし、欧米の株価は堅調な推移を続けています。

 政府が適切に対応すればコロナ騒動は収束する。金融市場はこの洞察を保持し続けてきたのではないでしょうか。ロックダウンで行動抑制を突き詰めれば感染は急速に減速します。逆に行動抑制を全面的に解除して大群衆が密集・密接の活動を展開すれば、ワクチン接種後でも感染は急激な再拡大を示します。

 つまり、コロナが残存することを前提に、コロナと適切な間合いを取って行動すれば、私たちはコロナと共存し得るとの判断が持たれつつあるように思います。コロナへの治療方法も確立されつつあります。特効薬が開発されれば問題は急激に縮小するはずです。

 政府が最大の力を注がねばならないのは医療提供体制の確立です。入院治療が必要な人が入院させてもらえない。宿泊療養さえ提供されず、救急搬送先が見つからずに命を落としてしまう。これはコロナが原因の死亡ではなく、政府の政策失敗による死亡です。この点で日本政府のコロナ対応力の低さが際立っているのです。これが株式市場に影響を与えています。

●もう一つのリスク

 その日本でも感染第5波がピークを迎えつつある可能性を指摘できます。これまでの感染波動は4カ月程度の間隔でピークを形成してきました。5月12日が第4波のピークなので、第5波は8月から9月にかけてピークを形成する可能性があります。医療崩壊を回避する対応さえ取られれば、新規陽性者数が減少に転じるなかでパニックは後退することになると思われます。

 そのタイミングを見定める局面に移行しつつあるように思います。新型コロナの特効薬が開発されれば、コロナは季節性インフルエンザと同等の扱いに格下げされることになるでしょう。そこに到達するまでの時間はそれほど長いものにならないと考えます。

 ただし、今回の新型コロナウイルスよりもはるかに毒性が強く、感染力のあるウイルスが出現する可能性を完全に否定することはできません。そのリスクが残存することを念頭に置く必要があるでしょう。

 この留意事項はありますが、中期的に展望するなら、コロナ騒動は大きなヤマを越えていく可能性があると思います。ワクチン接種が世界的に一巡すれば利権としてのワクチンの目的も概ね完了することになるのだと思います。

 目先に迫るもう1つの警戒要因が米国の金融政策です。緩和縮小、引き締め始動の方向にあることは明白で、あとは、いつどのように実行されるのかを探ることになります。まずは、パウエル議長の経済シンポジウムでの言い回しの真意を解析することが必要になる局面です。

(2021年8月27日記/次回は9月11日配信予定)


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