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【特集】下期相場の攻略ポイントに迫る!  【株経トップ特集】

―切り口多彩、上期不振の挽回を図る―

 今週からの10月入りとともに下期相場がスタートする。今年度の上期相場は、8月の中国ショックの直撃もあり、日経平均株価のパフォーマンスは予想外のマイナスに低迷。下期からの再スタートによる挽回を図る。10月から社名変更を行う企業も多いほか、「マイナンバー」制度も本格的に動き出す。機関投資家も新たな運用姿勢で臨むこともあり、心機一転による“巻き直し相場”が期待されている。

●一段安があれば格好の拾い場か

 今週から下期相場がスタートする。28日から実質下期相場入りとなり、10月1日から名実ともに今年度の後半戦に突入する。

 今年4月からの上期相場は、日経平均株価が1万9000円台前半で始まり6月下旬には2万0952円まで上昇した。ただ、夏本番を迎えた8月に中国ショックが直撃。日経平均株価は9月初旬に1万7415円まで売られ、3月末の1万9206円からは一時9%強の下落となった。

 下期相場は、日経平均が1万8000円前後と予想外の安値水準からの発進となるが、市場には「日本株市場のPERは約14倍とバリュエーション的に割安感がある」(アナリスト)との見方は多く、一段安の場面があれば、格好の拾い場との声も少なくない。

●社名変更相次ぐ、再評価の契機にも

 下期相場の挽回が期待されるが、こうしたなか、10月の下期相場を迎えるうえで目立つのは、経営統合や株式移転による新規上場や社名変更企業の多さだ。

 肥後銀 <8394> と鹿児銀 <8390> による経営統合で「九州フィナンシャルグループ <7180> 」が誕生するほか、コスモ石 <5007> は持ち株会社である「コスモエネルギーホールディングス <5021> 」を設立する。

 また、名糖運輸 <9047> とヒューテック <9056> [東証2]が経営統合し「C&Fロジホールディングス <9099> 」が誕生する。石油元売り業界の再編が進む、新生「コスモエネルギーHD」の動向などは市場の注目を集めそうだ。

 一方、社名変更を行う企業も少なくない。コナミ <9766> のように持ち株会社化を進め、社名に「ホールディング」をつける企業が多いが、もしもしホットラインは「りらいあコミュニケーションズ」に社名を変更する。テレマーケティング事業からインターネットなど多様なチャネルをサポートすることを明確にすることを変更理由としている。

 また、チッカリン <4031> はコープケミ <4003> と10月の経営統合により、社名を「片倉コープアグリ」とする。さらに日梱包 <9072> は「ニッコンホールディングス」に、角川ドワンゴ <9468> は「カドカワ」に社名変更する。

 社名変更は、企業実体の変化を示し再評価のきっかけにもなり得る。

●マイナンバー、郵政関連も関心

 さらに、10月からは、「マイナンバー制度」が動き出す。国民一人ひとりに番号を割り当て行政手続きに活用するもので、制度自体は来年1月からスタートするが、10月から「通知カード」が配布される。長期的な経済波及効果は20兆円以上とも言われ、情報サービス企業への需要が期待されている。ITbook <3742> [東証M]やOBC <4733> 、ODK <3839> [JQ]など注目される。

 さらに、11月4日の郵政グループ3社の株式上場に向けて関心が高まりそうだ。「ふるさと小包」のデータ入力を受託する電算システム <3630> や日本郵便を主要取引先とするデジタルポスト(東京都港区)の株主であるソフトフロン <2321> [JQG]など関連株の動向に注目したい。

情報提供:日刊株式経済新聞

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