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【特集】日銀追加緩和はあるか?! プロが直前予想 (2) <株探トップ特集>

追加緩和を巡り金融株も踊る

―黒田バズーカ狂想曲、見解真っ二つ!―

 30日に行われる日銀の金融政策決定会合に市場の注目が集まっている。郵政の大型上場直前ということもあって思惑が錯綜、果たして追加緩和はあるのかないのか。市場関係者のプロの意見を総括した(「日銀追加緩和はあるか?! プロが直前予想(1)」から続く)。

●ポジションによって異なる見方

 マーケット全体の声に耳を傾け体感温度の違いによる見解のずれを指摘するのは松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏だ。「国内債券市場の関係者は、国債の買い入れ状況を見る限り技術的に困難が伴うとして、緩和なしとみている向きが多い。逆に国内でも証券関係者や、海外機関投資家は緩和あり、もしくはやるべきという意見が強いようだ」という。

 窪田氏自身は、やらない可能性が高いとみている。「緩和に伴い円安に振れるとしても、日銀はコストプッシュ型の物価上昇は望んでいない。昨年10月30日は消費増税決定をフォローする政治的な思惑も多分にあったが、今回はそこまでの背景は見当たらない」とする。

 また、SMBC日興証券投資情報部部長の太田千尋氏は、6割の確率でやらないとみており、むしろ今やるべきではないと主張する。「ここで、追加緩和を実施すれば打ち止め感が出てしまう。株式市場にとっても切り札は残しておいたほうがよい。今回やらなかったとしても11月、12月と緩和期待が続くことになり、その方が結果的にマーケットには有効だろう」という意見である。

●緩和トレードはどうなる

 マネーゲーム的要素は強いものの、日銀の金融政策決定会合が近づくと半ば必然的に繰り返されるのが、金融緩和でメリットを受ける銘柄群の短期売買だ。個人投資家の土俵で、「緩和トレード」もしくは「日銀プレー」と称され、関連株の回転売買に注目する向きは多い。通常、脚光を浴びるのは不動産やノンバンクなど、緩和による調達資金コストの低下が収益メリットにつながるセクターだ。ただし、不動産は直近明るみに出たマンションの施工不良・データ改ざん問題で、突発的な逆風が吹いており、やや不利感がある。

 アイフル <8515> やアコム <8572> 、オリコ <8585> などのノンバンクが相対的に対象となりやすい。また、ロットを利かせた売買では、金融緩和で保有国債の評価が上がる三菱UFJ <8306> 、三井住友FG <8316> などメガバンクに注目が集まりそうだ。

 ただ、今週は企業の中間決算が本格化することから、「緩和トレードは思うほど盛り上がらない」(国内投資顧問)という見方もあり、急がば回れで好業績銘柄を吟味しての投資のほうが安全かつ期待値が高いともいえる。

 一方、緩和トレードの対象として最も存在感を高めるのは、“モンスターETF”として巨額の個人投資家資金を飲み込む日経レバ <1570> [東証E]。23日は、約2ヵ月ぶりに1万5000円台を回復する場面もあったが、相場全般の先高期待を一気に膨らませる増幅装置の役割を担うだけに、今週の動きは要注目となろう。

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