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【特集】西川雅博【日本株1】秋の相場観特集_04 /上昇に転じる時期は10月後半ごろか

西川雅博氏
光世証券 執行役員 西川雅博氏

 8月以降、日経平均株価で4000円を超える急落に見舞われている日本市場だが、この調整局面は最終段階に入っており、10~12月レンジの下限に近い水準と考える。日経平均の年末までのレンジは1万6500円~2万円と見ている。

 新興国経済の減速に加え米国の利上げが懸念材料となっているものの、米国以外の日本・中国・欧州の主要国中央銀行は依然として非常に緩和的な姿勢を示しており、金融緩和策の継続は減速気味の経済を下支えしてくれるだろう。

 今後、上昇に転じる時期としては、多くの上場企業が中間決算を発表する10月後半ごろと見る。決算数字が出揃えば、足元の株価下落要因の一つとなっている中国経済鈍化の影響も見定められ、不透明感が払拭されよう。また、10月後半というと、郵政3社の大型上場案件に伴う換金売りも一巡するころで需給面でも安心だ。

 個別株では、メガバンクが依然としてPBR1倍割れの割安水準に置かれているが、メガバンクと同規模のゆうちょ銀行<7182>の売り出し価格は、メガバンクとの対比でさらに割安に設定されるとの事前報道もある。落ち着いた初値形成になるようであればIPOに追加して買い増して行きたいところだ。

 中国の景気減速は日本にも影響しており、4~6月期実質GDPは年率換算で前期比1.2%減と落ち込んだ。7~9月期も従来の想定よりも冷え込む見通しとなるならば、経済対策の補正予算への期待から、大林組<1802>など建設株が動意づきそうだ。建設資材価格の下落基調が継続していることも追い風となろう。

 上海株急落の影響が懸念された訪日中国人客数だが、直近の8月で前年同月比133%増(前月比2.5%増)と落ち込む気配を見せていない。原油安と合わせてANAホールディングス<9202>の好業績にも期待したい。

<プロフィール>

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【秋の相場観】特集より

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