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【特集】山内俊哉氏【半年ぶり高値の日経平均、今後の注目点は】(2) <相場観特集>

山内俊哉氏(上田ハーロー 執行役員)

―週明け上昇一服場面も、為替動向を横目に買い場探し―

 17日の東京株式市場で日経平均株価は、5日ぶりに反落した。先週に日経平均は900円強上昇していただけに、いったん利益確定売りが優勢となった格好だ。日経平均は2万3000円の節目を抜け、半年ぶりの高値圏にある。果たして東京市場は、ここから一段高へ走るのか。今後の相場の注目点を、為替の動向を含めて専門家に聞いた。

●「ややドル高基調、方向感に欠ける展開も」

山内俊哉氏(上田ハーロー 執行役員)

 当面のドル円相場は、方向感に欠ける展開が想定されるなか、ややドル高・円安のトレンドが予想される。

 先週は1ドル=107円前後へドル高が進んだ。これは足もとでドルのショート(売り)が膨らんでおり、その買い戻しが入ったことや米国の長期金利が上昇したことなどの要因が大きい。特に、米7月消費者物価指数が堅調だったことなどが影響した。しかし、その一方で同小売売上高は強くはなかった。新型コロナウイルスの影響が収束に向かう状況にはないだけに、米長期金利が一段と上昇する状況にあるようには思えない。

 また、毎年8月になると米国のジャクソンホール会議が話題となる。今年は下旬にオンラインでの開催が予定されているようだが、米連邦準備制度理事会(FRB)など各国中銀は当面の重要な金融政策は、すでにやり終えているように思える。このため、要人発言の影響は限定的となり、今年のジャクソンホール会議の内容はさほど注目されないかもしれない。ただ、米中対立により実体経済が悪化するという懸念はあり、ドル安・円高に向かう要因も残っている。

 こうしたなか、今後1ヵ月程度のドル円相場のレンジは、1ドル=105円00~108円00銭を見込んでいる。足もとの金利上昇もあり、トレンドは若干のドル高・円安だろう。

 また、ユーロは対ドルでは1ユーロ=1.1650~1.2050ドル、対円では同=124円50~128円00銭を見込む。ヨーロッパでは再び新型コロナウイルスの感染拡大の動きがあり、景気悪化リスクが残る。このため、対ドル、対円ともにトレンドは若干のユーロ安基調だろう。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(やまうち・としや)
上田ハーロー、執行役員・マーケット企画部長。1985年 商品先物会社入社。コンプライアンス、企画・調査などを経て1998年4月の「外為法」改正をうけ外国為替証拠金取引の立ち上げを行う。2005年7月 上田ハーロー入社。前職の経験を生かし、個人投資家の視点でブログなどへ各種情報の発信やセミナー講師に従事。日経CNBC「朝エクスプレス」為替電話リポートに出演のほか、金融情報サイトなどへの情報提供などでも活躍している。

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