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【特集】大塚竜太氏【2月相場突入、リスクオフ急落後の展望を読む】(1) <相場観特集>

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

―前週の波乱相場から立ち直れるか、投資のポイントは―

 名実ともに2月相場入りとなった1日の東京株式市場は日経平均株価が反発に転じた。前週後半の2日間で1000円近い下げをみせていたが、足もとでは値ごろ感から広範囲に買い戻しが入った。ただ、日米株式市場ともに依然として先行き不透明感は拭えない状況にある。投資家はここからどのようなスタンスで臨むべきか、2月相場の見通しについて、ベテラン市場関係者2人に意見を聞いた。

●「企業業績の回復にらみ押し目買い」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

 前週は狼狽気味の売りが観測され、日米ともに久しぶりに大幅な株価下落に見舞われた。ただ、全体相場波乱の引き金となった米ゲームストップ株の急騰がもたらした混乱は一時的なものにとどまる可能性が高い。また、バイデン新政権下で追加の大型景気対策に不透明感が漂っていることなども嫌気された。新型コロナウイルス感染拡大についても減速しているとはいえ依然として予断は許されない局面にある。

 しかし、これら悪材料をすべて考慮したうえで日経平均の押し目があれば買い下がる方針で報われると考えている。企業の決算発表は佳境入りとなるのはこれからだが、現時点で判断する限り回復歩調にある。ワクチン普及による経済回復への思惑も今後強まることが予想され風向きも悪くない。一方、日米欧の金融政策に当面変化はなく、目先調整があっても相場の上昇トレンドが下落転換するような材料は見当たらない。きょうは日経平均が戻り足に転じているが、もう一回下値を試す場面はあったとしても、2万7000円ラインが下値のストッパーとなることを想定し、強気に押し目買いで臨む。

 日経平均の上値については2月中に2万9000円大台を意識する場面が訪れそうだ。また、3月期末までのタームで見た場合は更に500円ほど上値余地があると考えており、2万9500円を目標ラインとする強調相場が見込まれる。個別株では電気自動車(EV)関連でひと押し入れた銘柄や、半導体 関連で目先の調整で買いやすくなった銘柄を狙っていくのが実践的だ。EV関連では日本電産 <6594> 、半導体関連ではルネサスエレクトロニクス <6723> などに注目している。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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