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【特集】大谷正之氏【3万円大台復帰はいつ? GW明けの相場展望は】(1) <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

―NYダウ最高値街道も今一つ勢いを欠く東京株式市場―

 週明け10日の東京株式市場は日経平均株価が前週後半の強調地合いを引き継ぎ3連騰となった。米国の金融緩和期待を背景にNYダウが最高値街道を走っており、これに追随する動きとなっている。ただ、セル・イン・メイの相場格言もあるように、足もとキャッシュポジションを高める動きも観測され上値も重い。夏相場の前哨戦となるここから6月にかけての相場展望について、第一線で活躍する市場関係者2人に意見を聞いた。

●「上値抵抗線突破なら2月高値更新も」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 足もとの日経平均株価は、「底堅いが上値は重い」という状態が続いている。最高値を更新するNYダウに対する出遅れ感も指摘されているが、東京市場の上値が重い要因としては、決算発表が佳境を迎えようとするなか、その中身を確かめたいとする姿勢が強い面が大きいと思う。今週もトヨタ自動車 <7203> やソフトバンクグループ <9984> といった主要企業の決算があり、その内容を確かめないと機関投資家も動きにくいだろう。

 今月中旬に決算発表が一巡し、そこから相場がどう動くかが焦点となるが、基本的には上値を探る展開となることを予想している。

 決算発表を経て日経平均ベースの1株当たり利益も増加基調にあり、出遅れの日本株には割安感が出てきている。日経平均株価の2万9800円台が上値抵抗線となっているが、ここを上回り3万円に突っかけるようなら、2月高値の更新も視野に入れる展開もあり得るだろう。

 今後1ヵ月程度の日経平均株価の予想レンジは、2万8400~3万700円を見込む。

 個別銘柄では、やはり半導体関連など業績が好調な主力のハイテク株は狙い目だと思う。日立製作所 <6501> や富士通 <6702> 、東京エレクトロン <8035> 、信越化学工業 <4063> 、ソニーグループ <6758> などだ。また、当面はPER、PBRなどからみた割安さや成長性を評価して個別株を物色する動きが優勢となると思う。マキタ <6586> やカネカ <4118> 、ショーボンドホールディングス <1414> 、ミネベアミツミ <6479> などに投資妙味がありそうだ。


(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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