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【特集】大谷正之氏【3月期末目前、不透明感募る株式市場を読む】(1) <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

―ウクライナ情勢の警戒が続くなか、個別株の勘所は?―

 14日の東京株式市場は主力株中心に買い戻しが入り、日経平均株価はリバウンドに転じた。前週末の米国株市場は不安定な値動きで、結局NYダウなど主要株価指数は安く引けたが、米株価指数先物が高く推移したことがきょうのマーケットにはポジティブに働いた。とはいえ、3月期末を目前にウクライナ情勢など先行き不透明感が強い相場環境であることに変わりはない。今後の相場展望と個別株物色の方向性について、先読みに定評のある市場関係者2人に話を聞いた。

●「当面は一進一退の展開、FOMCとウクライナ情勢の見極め必要」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 当面の東京市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とウクライナ情勢を見極める展開となりそうだ。足もとで日経平均株価はやや値を戻しているが、先週の2万5000円割れで底を打ったか、どうかはまだ分からない。ロシア軍によるウクライナ侵攻に関しては、その動向に一喜一憂する展開が予想される。また、15~16日に予定されているFOMCも0.25%の利上げは織り込んでいるものの、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見などでタカ派的な発言があれば市場はマイナスに受け止めることもあるかもしれない。

 更に、景気減速懸念や来期業績に対する不透明感が強いことも相場の動きづらさを増幅させている。こうしたなか、東京市場は一進一退の展開が予想され、上下にぶれやすいボラティリティの大きな相場が続きそうだ。当面の日経平均株価の下値は2万4500円前後、上値は2万6000円前半を予想している。

 個別銘柄では、資源関連株や高配当利回り銘柄、金利敏感株などが注目される。原油価格の上昇が続くなか、INPEX <1605> など資源関連株にはなお投資妙味がありそうだ。3月の配当権利取りを視野に高配当利回りの三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> や三井住友フィナンシャルグループ <8316> など大手銀行や三菱商事 <8058> など大手商社も期待できる。それにインフレ懸念で金利が上昇するなか、大手銀行のほか第一生命ホールディングス <8750> などの金利敏感株も注目されよう。


(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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