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【特集】宮崎太陽銀行 林田洋二頭取インタビュー <福証単場会銘柄に注目!>

林田洋二氏(宮崎太陽銀行 取締役頭取)

―地域に根差した金融機関として「地域社会の繁栄」に資する取り組みを推進中!―

 地方証券取引所の上場銘柄は、全国的な「知名度」の低さなどから、東証銘柄の陰に隠れてしまいがちだが、そこにはキラリと光る優良な企業が多く存在する。福岡証券取引所の単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/にもそんな魅力溢れる銘柄がある。この単場会銘柄企業のトップが、自身の言葉でビジネスモデルや成長戦略、経営課題などを語ってくれている。インタビュー記事からは、持続的成長を目指す各社の取り組みが理解でき、思わず応援したくなるほどに熱い意気込みが伝わってくる。4年目となるこの単場会銘柄の特集をご覧になり、ポートフォリオの再検討に役立てていただきたい。

●林田洋二氏(宮崎太陽銀行 取締役頭取)

 宮崎県、鹿児島県、大分県および福岡県内に店舗展開をしている宮崎太陽銀行 (8560) [福証]は、地域の経済発展に貢献するとともに、身近で親しみやすい銀行として健全経営に努めている。今回、IoTフィンテック等の新しい取り組みが見られる金融業界において、厳しい経営環境の下での成長戦略を目指す同行の林田洋二頭取に話を聞いた。

【1】貴行の事業の状況について伺います。
直近の業績をどう分析し、評価されていますか? また、今後の見通しについてはどのようにお考えですか?

 当行は、宮崎・鹿児島の両県を主要な営業基盤としており、宮崎県内45店舗に加え、鹿児島県内5店舗、大分県および福岡県内に各1店舗を設置し、預金・貸出などの銀行業務のほか、関連会社によるリース・投資業務、その他の金融サービスに係る事業を展開しています。

 2019年3月期の業績は、低金利環境が続く中で、貸出金利息や有価証券の利息配当金などが減少したほか、勘定系システム更改に伴う経費負担などにより、最終利益は、前年度比減収減益ではありましたが、当初業績予想を上回る結果となりました。これは、当行が、お取引先企業の本業のお手伝いに注力させていただいており、そうした取り組みが実を結びつつあるものだと考えています。

 今後も地域経済活性化への貢献をしっかりと念頭に置きながら、営業店と本部が一丸となって、お客さまの本業に対するサービスの提供を推し進めてまいります。

【2】貴行の事業展開についてお聞きします。
「日進月歩の伸展・地域社会の繁栄・生活文化の向上」という経営理念のもと、銀行業務を中心に、リースなどその他の金融サービスに係る事業を展開されています。貴行のビジネスの特徴やこだわり、そして新たな事業展開の可能性についてお話しください。

 当行は、経営理念とともに、モットーとして「地域の繁栄なくして銀行の発展なく、銀行の発展なくして地域への奉仕なし」を掲げています。

 社会・経済環境が目まぐるしい変化を遂げていく中で、日々多様化・高度化している地元企業さまや個人のお客さまのニーズにしっかりとお応えしつつ、当行自身の経営基盤の強化を図りながら、一層充実した金融サービスの提供を目指しています。

 また、お客さまから選ばれ続ける銀行として、お取引先との組織的かつ継続的なリレーション構築を目指し、その過程で、お取引先の事業運営や商品・サービスに対する理解を深めることこそが、地域経済活性化目線でのサービス提供に向けた出発点であると考えています。

【3】中長期における経営戦略について伺います。
金融業界における経営環境は、人口減少や高齢化に伴う地域経済の縮小など厳しい状況が継続しています。こうした中、地域に根差す金融機関として、今後の取り組みについて具体的なご説明をお願いいたします。また、目標達成のための重要課題についても、お話をお聞かせください。

 当行は、2010年3月に金融機能強化法に基づく資本増強を実施しています。

 同法の趣旨は、公的資金の活用による地域経済活性化の実現であり、当行は現在、地域経済活性化への一層の貢献を基本方針とする第四次経営強化計画を履行中であります。

 当計画の主な取り組みの一つに、お取引先の販路開拓支援である「本業サポートWith」があります。これは、事業者のお客さまが、一層の販路拡大を望んでおられる商品・サービスの深掘りにより作成した説明資料を基に、購入見込み先であるお客さまに対して、当行行員が営業マンとなってアプローチさせていただき、売上を増加させていく取り組みです。

 また、売上が増加したことにより資金需要が発生した場合には、「本業サポートWith」専用の当座貸越をご利用いただくことで、資金面でのお手伝いもさせていただくこととしております。

 このように、お客さまから相談相手として認めていただき、伴走型支援を重ねていく地道な活動が、お取引先一社一社の企業価値の向上、当行の経営理念である「地域社会の繁栄」、その結果として、当行自身の収益にも繋がり、共通価値の創造が実現できると考えております。

 当行は、地域経済活性化を自らの使命と位置づけ、その実現に資する取り組みを実行中ですが、その達成のために最も重要なのは、株主の皆さまを始めとする、当行のステークホルダーの皆さま方に、こうした当行の方針や取り組み一つひとつを、いかにご理解いただけるかだと考えています。

 そのため、当行は、経営陣とステークホルダーの皆さまとの相対での対話の場を積極的に設けさせていただくほか、福岡証券取引所への適時開示、記者会見、プレスリリース、ホームページを通じた情報発信などに取り組んでいます。

 引き続き、地域経済活性化に資する取り組みの着実な実行と、その下支えとなる、ステークホルダーの皆さまへの当行方針をご理解いただくための対話や情報発信などの活動に努めてまいります。

【4】経営のリスクについてお話をお願いします。
貴行のビジネス展開におけるリスクは何でしょうか? また、想定されるリスクがどのように業績に影響するとお考えでしょうか?

 経営戦略でも述べました通り、当行は、現在、第四次経営強化計画を履行中です。当計画では、「短期的な収益や短期的業容の向上への執着を改め、地元のお客さまとのリレーションを無形資産としてとらえ、着実な顧客価値提供の裏付けをもって、この無形資産の含み益の最大化に宮崎太陽銀行は注力する」という営業推進の大方針を掲げています。この方針のもと、主に、経営の改善を求めておられるお客さまを対象にリスクコミットしていくこととしております。

 お客さまにおかれては、地域経済などの外部要因の動向により、業況が左右される可能性もございますが、当計画では、着実な顧客価値の提供に向け、ファイナンス以外での価値あるサービス提供に有用な、お客さま自身の事業運営課題の収集を方策のひとつとして掲げております。その推進過程において、お取引先の実権者との綿密な対話を行うこととしていることから、いち早くリスクの予兆を把握することが可能となり、当行の業績に甚大な影響を及ぼす可能性は抑えられるものと考えています。

【5】最後に、投資家に向けてお話をお願いします。
貴行では投資家に対してどのようなコミットが可能でしょうか? コーポレートガバナンスやコンプライアンス、経営理念に絡めた上でお話をいただければ幸いです。

 当行は、経営理念の一つに「地域社会の繁栄」を掲げています。この理念のもと、地域経済活性化(地域社会の繁栄)に向けた取り組みとして、これまでの地域密着型金融の取り組みの成果や地域経済、地元事業者さまなどの実態を踏まえ、当行が保有する地域情報やネットワークを活用して、地元での創業・成長産業を後押しする取り組みを強化するとともに、事業者のお客さまに対する販路開拓や事業再生・事業承継支援など、コンサルティング機能の一層の発揮に組織的に取り組んでまいります。

 その実現に向け、当行は、取締役の職務執行の監査などを担う監査等委員会を取締役会の構成委員とすることにより、取締役の監督機能を強化し、更なる監視体制の強化を通じて、より一層のコーポレートガバナンスの充実を図るため、本年6月27日に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。

 また、「内部統制に係る基本方針」に基づき、それに業務の適正を確保する体制として、リスク管理・コンプライアンス管理・内部監査を包括した内部管理体制を構築し、経営の効率性と健全性の維持・向上を図ることを経営の最重要課題の一つに位置づけ、経営の意思決定の迅速化・機動性の向上、経営監督機能の強化など、適切なガバナンスが行われる組織および企業風土構築に取り組んでいます。

 引き続き、コーポレートガバナンスを十分に機能させながら、地元の事業者のお客さまに対する金融仲介機能を、安定的かつ持続的に発揮する地域金融機関の本来の役割を果たし、地域経済活性化の実現に努めてまいります。

●資料請求・問い合わせ先
株式会社宮崎太陽銀行 総合企画部
〒880-8606 宮崎県宮崎市広島二丁目1-31
TEL:0985-60-6270 FAX:0985-60-7070
https://www.taiyobank.co.jp/

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