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【特集】清水洋介【市場が恐れる9月リスク】相場観特集_03 /米利上げ開始は12月か、インバウンド関連など買い継続

Argo Navis・フィナンシャルコンシェルジュ 清水洋介氏

 米国では昨年10月のFOMC(公開市場委員会)で量的緩和第3弾(QE3)が終了し、今度は利上げ時期が注目されている。市場では、9月のFOMCで利上げが決定されるのではないかとの見方も出ており、株式市場などへの影響が取り沙汰されている。

 結論としては、9月利上げはなく、あったとしても12月の利上げとなると思う。というのも、現状ではまだ日欧で「追加緩和」が期待されるなかで、米国で利上げとなると急激な、しかも継続的なドル高懸念になるが、日欧で追加緩和を必要としないような状況にあれば、ドル高も継続的ではなく、一過性という見方もできる。したがって、日欧で追加緩和を必要としないところまで利上げは先送りされるだろう。
 もし、利上げが実施された場合、懸念される影響としては米国の輸出企業の収益となるが、急激なドル高、継続的なドル高が避けられれば、影響は一過性だと思う。また、新興国などへの影響も懸念されているが、日欧や中国からの潤沢な資金供給は継続されるものと思われ、騒がれているほどの影響はないだろう。

 日本市場への影響とすれば、円安に振れることになるし、米国での景気回復、世界的な景気鈍化懸念が薄れるというなかでの米利上げとなるので、景気敏感株などを中心に買い直されることになるのだろう。

 日経平均株価は9月までは2万1000円水準での上値の重さを確認する動きになり、10月中旬ころから買い直されて上値追いとなってくるのだと思われる。注目される業種・銘柄は「インバウンド(訪日外国人)関連銘柄」や、商品相場の底入れから大手商社株など。そして、次のロボットなどの需要増から、電子部品株なども調整局面では買い場となると思う。

<プロフィール>

大手証券会社に入社後、外資証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」として、テレビのレギュラー出演や・雑誌の連載等で活躍し、現役ディーラーとして日々相場と対峙している。 10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。 2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【市場が恐れる9月リスク】特集より

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